WORKS事例紹介

親子のための療育ひろば

計画中

倉庫を改修し療育(♯1)を行う場所を作るご相談を受けました。

限られたスペースに教室を3室と事務室、待合室、倉庫を計画し、親子に居心地の良い場所を計画します。

必要な部屋数でそのまま計画してしまうと、どうしても一つの部屋が小さくなってしまうのが難しいポイント。

リフォームでは、床面面積を大きくできないので、圧迫感を感じないよう、倉庫の天井高さを活かした計画としました。

そして完成したファーストプランです。

テーマパークのように、子供達が自分から行きたくなるような場所を目指して、可愛さと楽しさを前面に押し出したプランをご提案しました。

倉庫の大きな空間の中に、各教室が一軒一軒の小さな家の様に集まって、待合室はジブリの街のよう。

カラーガラスを使って、各部屋に明かりが灯ると光が漏れて、ドアを開けてみたくなる印象です。

土壁や木製ドア、杉板と自然素材の楽しい空間になっています。

デザインも平面プランも気に入って頂けましたが、

予算と可変性を加味して、もう少しシンプルで落ち着いた空間に方向性を向けることになりました。

内部の空間を見て頂きたかったので、2ndプランでは、CGパースでのご提案です。

1stプランのチェッカーガラスや素材感のあるアクセントを残しながら、シンプルな構成に納めました。

天井高さを用途に合わせて、高くしたり、低くしたり、杉板天井にしたりと、

同じ大きさの部屋でも変化のある空間に仕上げています。

価格もプランも納得いただき、早速施工が始まります。

♯1:障害のある子供やその可能性のある子供に対し、個々の発達の状態や障害特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすること。

次へ

建設中

沢山の荷物で溢れていた倉庫の中もすっかり空っぽになりついに着工です。

どこを撮っても殺風景な壁だけしかない倉庫。唯一この桜の木が見える窓をどう使うかが肝ですね。

まずは木工事。大きな空間を、壁と天井で必要な大きさに区切っていきます。

大工さんの下地がとても綺麗。見えないところが丁寧だと安心です。

下の写真、壁に小さく貼られているのはクロスのサンプルです。現地で色合いやバランスを考えながら選定します。

間取りは必要な機能と広さを優先して決定し、

天井高さと素材で、それぞれの部屋の居心地を作ることを計画しました。

全ての部屋の天井高さと素材が違うので、下地も複雑、、、大工さんありがとう。

下地が完成すると、仕上げ材とクロスの下地を施工して行きます。

天井の杉板とカウンター下のヒノキ板、クロスの下地の石膏ボードが貼られて行きます。

既存の窓とカウンターの開口高さを揃えて、待合室からも桜が見えるように計画しました。

下地が完成し、クロス工事が始まりました。

アクセント壁に選定した、森と動物のクロスが丁度張られていました。。

柄を合わせるが難しいと涙目のクロス職人さん、腕の見せ所です。

クロス工事が終わり、後は完成を待つのみです。

 

次へ

完成

親子のための療育ひろばが完成しました。

待合室は天井高さ2.8mで広々とした印象と共に、杉板の天井で暖かさも感じます。

受付カウンターをヒノキのリブ板とモスグリーンのアクセントで際立たせて、

奥の窓のカウンターの高さと開口寸法を合わせる事で目線の抜ける場所を作っています。

春には桜の花が窓いっぱいにい広がるのが楽しみです。

テーマカラーはグリーンとブラウンと白で統一し、シンプルで落ち着いた空間を目指しました。

カウンター下も横張りに、クロスやガラスもチェッカーガラスを選定することで、

お施主さんの選定したガラス作家さんの照明に合わせて、北欧風に全体を寄せています。

待合室の裏手には森と動物のクロスをアクセントで選定しました。

親子の会話が弾むきっかけになれば素敵です。

空間はシンプルですが、素材の選定を丁寧に行うことで居心地の良い場所になりました。

ガラス作家さんの照明作品。

不思議な形とカラフルな色がとっても魅力的。

待合質の奥が三枚引戸で間仕切れるようになっていて、食事や談話室に使われます。

ここは天井高さをぐっと抑えて、クロスもワントーンだけ色を落としました。

装飾も天井の杉板以外無く、面談や食事をするときに、落ち着いて親密な距離感で使える場所を目指しています。

療育を行うお部屋は、天井高さを倉庫の勾配天井をそのまま活かして解放感ある空間に仕上げました。

ボール遊びやトランポリンも大丈夫。明るくて多目的に使えるお部屋です。

事務室から待合室を眺めます。
L形に開口した受付は、入口から各療育室までを見渡せる視認性の高さがポイント。

全てのお部屋が杉板仕上げで柔らかく暖かい仕上りです。

ふっと差した光を柔らかく広げてくれる無垢の木の質感は唯一無二です。

カウンター下の横張のヒノキ板、留め加工(角を90度に合わせて貼る方法)でぴっちりと仕上げてもらいました。

巾木の木目も合わせて綺麗に仕上がっています。さすが民家の大工さん。職人技が光りますね。

暖かく素敵な空間に仕上がりました。

居心地の良さに沢山の人が集まって来てもらえますように。

 

次へ

施主の本音

0~3歳の子どもと保護者を対象にした交流施設「ふわふわのおうち」が建築士事務所民家によって建設されたのは3年前(2021年)。今度、子どもの発達支援のための療育スペースに一部改修したと聞いて来訪した。

 

み「新設して3年で改修工事。その理由を教えてください」

 

主「私たちは保護者とお子さんを支援するための活動として、育児中のママたちが語り合ったり、子ども同士を遊ばせる『つどいの広場事業』や『一時預かり保育』発達に課題のあるお子さんのための『個別療育』などを実施しています。民家さんに建てていただいた木の建物がとても好評で、地元だけでなく、周辺からもたくさんの方が利用されるようになりました。スギやヒノキがふんだんに使われていて、自然のぬくもりによる落ち着いた空間が心地よく、安心感も得られるようですね。そのおかげか、個別療育は開始後、わずか半年で予約が追いつかないほど希望者が殺到してしまい、建物2階をリフォームすることにしました」

当初、広い待合室を設け、個室を2部屋に間仕切る予定を3部屋に変更。現在、フル稼働という。

 

み「予約が追いつかないとは大変な人気ですね」

 

主「個室を増やしたのは正解でしたね。それによって急遽、個室のひとつに非常口と外階段を追加することに。今回の改修部分もすべての床にむくのスギ板を張り、壁は白のエコクロスを施工しています。私は子どもさんが喜びそうなかわいい壁紙を選んでいたんですが、刺激になるということで待合室だけで我慢しました(笑)」

市内の子育て支援事業は公共施設やマンションの一室などで行われることが多い中、設計の段階から子育て支援施設としての利用を想定して作られた場所は珍しい。施設責任者の川口亮介さんは言う。

 

川「ときどき他所の施設の方が来られ、木の建物はいいですねと羨ましさを込めておっしゃってくださいます。地域に役立ちたい、ご縁をつなげる場所をという代表の思いで始めた事業、それがカタチになったなぁと実感しています。とくに個別療育はお子さんの特性に応じてトレーニングすることで、現在の困りごとを減らし、できることをを増やしていくなど将来の自立や社会参加に大きく影響する取り組み。お子さんと家族の幸せにつながる仕事でもあるので、一生懸命取り組んでいきたいですね」

親子のための療育空間

所在地:大阪府高槻市

主要構造:木造倉庫の改修・内装工事

設計・施工:建築士事務所 民家

竣工:令和6年 3月

工期:2か月

敷地面積:

建坪:

延べ床面積:60㎡

建物本体工事費用:700万円

本体工事以外に要した費用: