ふわふわの倉庫
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計画中
19年前に建築士事務所民家で設計・施工させて頂いた社屋
その横に倉庫を検討しているとご相談を頂きました。
当初は、鉄骨で建てようかなぁ~と、他社も検討されていましたが、
敷地の形状が複雑なため、規格化された鉄骨の倉庫では敷地を有効に生かせない事、
価格も木造の方が安く施工できる事から、木造倉庫での着工が決まりました。
木造倉庫は、防火や内部空間の確保が難しい反面、コスパも良く自由な設計ができるので、小・中規模倉庫にはとてもオススメです。
防火性能の確保と木造大空間のノウハウは、木造一筋の民家にとっては得意科目。
集成材だけに頼らず、国産無垢材と伝統工法を活かした丈夫な構造で、耐震等級3を確保した倉庫になりました。
また、計画として倉庫の一部に外部を引き込むことで、屋根付きの半屋外スペースを作っています。
資材のメンテナンスに屋外をよく使う事やイベントも良く行うとの経緯から、
無表情で威圧的な箱物ではなく、色々なイベントや新しい使い方が生まれるような場所を目指しました。
では早速工事を進めて行きましょうと、敷地内の要らない擁壁を解体している時の事、地中から、昔使われていた浄化槽が出てきました。
この上に建物を建てる以上、このままにしておく訳には行きません。撤去して綺麗な土で再度埋め戻します。
今回の場合、発生した撤去費用等は、前の持ち主さんが負担してくれました。
基本的に地中埋設物については別途費用がかかってくるので、土地購入前の事前の情報収集が大切です。
計画が決まると、さっそく敷地で地縄を張ります。
地面に実際の建物の輪郭を描くことで、大きさと建物のイメージが膨らみます。
建てる場所が決まれば、地盤調査を行います。
建物を支えるために必要な地耐力があるか、地面に鉄の棒を差し込んで行き、各地面の層を計測して行きます。
もし地面が弱かった場合、地盤改良を行って地面の強度を上げます。
費用も一般的な住宅で50~100万円することから、出来るだけ丈夫な土地であって欲しいと願うのですが、
平均的に言えば、約1/3の敷地は地盤改良が必要となります。
また、地盤改良を行えば安全に家を建てる事ができるので、過度に不安に考える必要もありません。
地盤調査の結果、今回は地盤改良が必要と判断したため、地中にコンクリートの杭を打設していきます。
各ポイントに加わる荷重から逆算して、必要な杭の数と場所を決定し、
必要な深さ、強度、ポイントを押さえて施工して行きます。
高さ5メートルはある杭地業の工作機械、どこかカッコイイ。。。
地盤改良が完了すれば、基礎工事が始まります。
地盤改良を終え、基礎工事が始まりました。
経済性と構造を考慮して今回は布基礎で基礎を作ります。
炎天下の中、チェック作業を的確にこなす現場監督の川崎さん。
湧き水のある敷地でポンプで排水を行いながらの基礎工事となります。
基礎が完成すればついに棟上げです。
建設中
梅雨の合間の猛暑日。
ふわふわの倉庫の棟上げが始まりました。
45坪平屋の軒高さ4mの大空間。
構造材は宮崎県産の材を使用しています。
許容応力度計算による耐震等級3で、丈夫で無駄のない構造を実現しました。(鉄骨造よりうんと安い!)
大スパンは国産の集成材の力を借りながら、その他材は国産無垢材を使用してハイブリッドな構造としています。
金物の使用も最小限に、接合部には伝統工法のコミ栓を使用しているので、美しい木の小屋裏になりました。
このコミセンの数がまたすごい。大工さんが一本一本丁寧に打ち込んでいきます。
近年の住宅によくある電動工具の音ばかりが聞こえる棟上げとは違い、込み栓を打ち付ける音が軽快に響く現場となりました。
棟が上がると、まずは雨が入ってこないように透湿防水紙で建物を覆います。
構造材と防水紙を透過する光が行燈のようで綺麗です。
外部で外壁と屋根作業が進む中、屋内では大工さんが内部の壁を作る作業を進めています。
防火のための石膏ボードを化粧張りで丁寧に仕上げて行きます。
大きな軒下では軒天の化粧材を貼っています。
見切り材無しでシャッターの上端とぴったりに納めてもらいました。
奥行2m以上ある広い軒下空間と倉庫がすっきりと繋がります。
外壁が仕上がればいい感じになりそう。
内外の作業はあっという間に進みます。
完成はお盆前を予定。気持ちのいい木造大空間が完成します。
完成
ふわふわの倉庫が完成しました。
高さ4m約45坪のがらんどうの空間は圧巻です。
什器の配置に合わせて計画した構造間仕切りがアクセントになって、ちょっとした店舗にしても良さそうな空間。
天井の合板と無垢の和小屋の構造が理路整然として美しいです。
ちゃんとコミセンも使われているのがニクイ。
内壁のボード仕上げも、ビス穴が見えない仕上げになっています。
ちょっとしたことですが、面がフラットに見えて綺麗です。
現在外構工事中。
外観も素敵ですよ。
施主の本音
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- 施主の本音
所在地:大阪府茨木市
主要構造:木造平屋建て
設計・施工:建築士事務所 民家
竣工:
工期:2か月
敷地面積:
建坪:45坪
延べ床面積:150㎡
建物本体工事費用:2000万円
本体工事以外に要した費用:200万円