WORKS事例紹介

杉香るグループホーム

計画中

ちょうど一年前、木の香りのするグループホームの依頼がありました。

なんでも、現代の多くのグループホームでは、食事や住環境にまだまだ改善点があり、

食事や生活環境を正しく整える事で、生活する方の心身のあり方が目に見えて変化するそう。

そうだそうだ、民家の目指す家づくりと全く同じ。

是非一緒に居心地の良いアットホームなグループホームを目指しましょう。

さっそく敷地を見に行くと、お寺の前の広い広い敷地がありました。

しかし問題はその敷地と道路の関係。

車で敷地に入れるのは、この幅2mの長ーい道のみ。

これは、建築が難しそう。。。

設計の段階から、敷地に搬入できる材の大きさや建築方法の検討が必要です。

既に完成していたマスタープランを元に、今回の敷地に合うように修正を加えながら、

予算を考慮して少しづつ形にしてゆきます。

補助金や様々な申請を考慮すると、設計にかけられる時間はわずか。

少しでも予算内で理想を形にできるよう、ギリギリまで検討を重ねます。

さぁ、無事に棟は上がるのか!?

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建設中

天候に恵まれた11月、ついに着工を迎えました。

まずは基礎を作る作業から。

右手奥の狭い道路から大きな重機を敷地に搬入してきます。

基礎が完成すると、棟上げです。

敷地には当然普通のクレーン車は入りません。そこで登場するのがカニクレーン。

コンパクトな車体と4本脚でどんな場所でもクレーン作業か可能に。

とはいっても大きな建物のため、すべての場所にはクレーンが届きません。

大工さんの昔ながらの手作業での棟上げが続きます。

それにしても重機マスターの現場監督、重機を動かすときワクワク楽しそう。

今回の棟上げは3日間かけて棟上げを行います。

掛矢(カケヤ)を持って行ったり来たり。

現場には、木を打つ音と香りが広がります。

だいぶ大きさが感じられるようになってきました。

2日目になると、ほとんど家の構造が見えてきました。

部屋の中のチームと、外壁の下地を作るチームに分かれて一期に組み上げてゆきます。

敷地への道路が狭いため、残材も少なくするよう、多くの材料をプレカットで刻み、

時短と運ぶ量をすこしでも少なくする努力が実を結びました。

通路から見るとその狭さが良くわかりますね。

3日目を無事に終えて、上棟式が行われます。

綺麗な夕日が差し込む中、上棟式が行われました。

今までの道のりを思い返して、涙するお施主さんの言葉に皆心打たれました。

皆で心を一つに、完成まで頑張りましょう。

 

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完成

杉香るグループホーム完成しました。

広々リビングは天井も高く大きな採光で圧迫感を感じません。

大きな建物にありがちな、無機質な施設感を一切感じないアットホームな居心地は木の家ならでは。

 

リビングの横には大きなキッチン。

無垢の杉板で作ったオープンカウンターに温かみを感じます。

キッチンの奥には食品庫スペースを作り、大人数の食材もスッキリ保管できます。

職員スペースはリビングに隣接して、格子窓を用意しました。

見通しも良く安心です。

当然バリアフリーの多目的トイレも用意。

無機質になりがちな水廻りも、塗り壁で温かみを感じます。

個人的にお気に入りな、玄関に入ってすぐの手洗いスペース。

白いタイルとボウルが清潔感があって素敵です。

角の見通しを良くするために柱を表しにして壁を控えています。

天井も杉板張りで、高さのある空間でありながら安心感も感じます。

ハイサイドからの光がとてもきれいな階段室を上がると。

同じく杉板張りの天井の2階廊下。

手摺もすべて無垢。触れるもの全部から木の温かみを感じます。

各お部屋それぞれに異なったアクセントカラーの塗り壁を施しています。

大工さん手作りの無垢のベッドが気持ちよさそう。

どの部屋にも表情のある塗り壁に柔らかな光が入ります。

どの色のお部屋にするか迷ってしまいますね。

木の温もり感じる素敵なグループホームになりました。

皆さん居心地よく生活できますように。

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施主の本音

杉香るグループホーム

所在地:大阪府寝屋川市

主要構造:木造2階建て

設計・施工:建築士事務所 民家

竣工:令和5年 3月

工期:5か月

敷地面積:

建坪:30坪

延べ床面積:199㎡

建物本体工事費用:

本体工事以外に要した費用: