施主の本音
絶対条件は「床にムク板」

お住まいに伺うと生後半年の元気な赤ちゃんが!「打ち合わせの最中にこの子が生まれたんですよ」とHさんはにこやかに出迎えてくださった。
コープ自然派のカタログに挟まれている『木族』をよく読まれ、木の家に関心をお持ちだったHさん。「新築や住み替えの予定はなかったんですが、たまたまポスティングされたチラシの不動産物件が気に入り、昨年7月に中古住宅を購入しました。築18年という微妙な年数で、どこまで手を入れるか悩んだんですが、床に無垢の木を張ることは絶対条件でしたね」

リフォーム内容はフローリングのところをすべて無垢のスギ板(洗面所はヒノキ)に張り替え、1階のリビングの仕切りを取り、和室に続く広い空間を確保。玄関ホールにあった階段をリビングから上がれるように位置を移動。和室への入口をなくし、収納スペースに。玄関上部の吹き抜けをやめて2階を増床など。
工事中、大工さんと細かく打合せも。「クローゼットのこの辺に棚をつけてとか、洗面台と洗濯機の間にすき間収納家具もつくってもらいました。市販品では思ったような家具がないんです。私の落書きのような図面を元に議論し(笑)、使いやすいものができました。大工さん手づくりの踏み台もすごく便利です」
ダイニングにカウンターを造作する際は、高さのことで随分迷われたという。
「高くしてキッチンを隠したかったんですが、そうすると子どもの手が届きにくい。最終的に流し台の高さに合わせて正解でしたね。カウンターのお皿を運ぶとか、上の子がお手伝いをしやすくなりました。台所やリビングの使い勝手がよりよくなるように、ガス台とカウンターの間にボードをつけたのもよかったです。これは料理をする主人の強い希望で(笑)」

昨年11月に工事が完了し、新しい住まいに引越しされた。
「開放感があり気持ちいいですね。子どもが走り回っています。カウンターは便利だし、無垢の木の床に張り替えたことで新築みたいと言われます。 ただ、気になるのは冬の寒さ。前はマンション住まいだったのと、うちは住宅街のいちばん北で、北風が直撃するんです。2重サッシの提案をいただいていたんですが…。ガレージに物干しの屋根を取り付ける予定でしたが、それはやめにしました。取り付けるとリビングが暗くなりそうで、なければないでいいかなと。3カ月住んでみて、いろいろわかることがありました。国産材を使うことで、少しでも日本の山に貢献でき、うれしく思っています。」