昔ながらの土壁の住まい
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- 施主の本音
計画中
建設中
完成
大阪から約1時間。
大きな山の下には電車が走り、田んぼが広がる田舎町。
S様はこの景色と空気感に惹かれ、この土地の購入を決められました。
昔ながらの日本家屋がお好きで、重量感のある梁や柱がご希望とのことから、ダイニング・リビングに松の太鼓梁、丸太を取り入れました。
夏涼しく冬暖かく過ごすために土壁を採用。
夏には1番の天敵であるじめじめとした湿気を土が吸い取り、冬には土の蓄熱性を利用し断熱材を付加することにより(外断熱工法)、
薪ストーブで暖まった室内の温度を保つようにしています。
間取りは「家全体を一間として使えるようにしたい」とのS様のご希望で、引き込み戸などの建具を多用することによって、開放的にも閉鎖的にも使え、フレキシブルに間取りを楽しめます。敷地に面した川に平行に屋根付きの縁を設けてダイニングと続きにすることで、より自然を感じることができます。窓の位置・建具の工夫によって風を自在に取り込め動かすことで快適性を確保。
土台廻りにはヒノキ、梁・柱には杉(高知県ゆすはら)を、床には30ミリの吉野杉を使っています。
外部にはそとん壁を採用。自然と共に暮らす心地よい住まいが生まれました。
施主の本音
「建築中、カフェとかパン屋さんができるという噂が町で流れたそうです。光栄ですね」と奥さまはにこにこ顔。
「コープ自然派に挟まれていた『木族』を読み、共感できることがいっぱいあったので夫に話したら、僕もその人(協会会員・1級建築士の水谷さん)のブログを見たよって(笑)。お互いが違う方向から水谷さんに行き着いたので、じゃあ、頼んでみようということで民家さんを訪ねました」(奥さま)。
大手ホームメーカーや住宅展示場めぐりをされていたが「一通りの規格品の家ができるという感じでした。小さな工務店の方が自分たちの好みに合う家が建てられると思ったんです」とご主人。
ちょうど手ごろな土地も見つかった。「縁もゆかりもないんですが、緑が見える田舎暮らしに憧れていたので、ちょっとずつ田舎のほうに足を向けたら辿り着いたんです。意外に便利で、いいとこ、見つけたって思いましたね(笑)」(奥さま)。
昨年10月に棟上げ、今年2月に完成した。夏涼しく、冬暖かく過ごすために土壁を採用。編んだ竹を下地にして荒壁を塗り、乾燥させたのち左官仕上げを行う伝統工法。
竹小舞の施工には「はるばる姫路から、女性の親方さんと男性の職人さんが来られました。竹を編む細かい作業は女性のほうがいいそうです。我が家はクロスゼロ、左官屋さんが大活躍でした。大工さんには木の家の住み方を教えてもらいましたよ。
お風呂は桧のハーフユニットなので、こまめに換気をする、マットを敷きっぱなしにしない、冬は水道管が凍るのでその対処の仕方とか。家づくりの文化をいっぱい教わりましたね。ただ、民家さんの事務連絡が遅かったのには困ったかな」
1階の間取りはリビング12畳、8畳と6畳の和室、水まわりだが、リビング横に設(しつら)えた広いデッキと、仕切りの引き戸をすべて開けると大きな空間ができるため、開放感はハンパない。
「廊下や客間もありません。子どもが家のなかでジャングルジムみたいに伸び伸びと遊んでいます。テレビを観ることもなくなりました。自然のなかで暮らしている感じがすごくしますね。あとは自分たちで家いじり、庭いじりを楽しんでいけたらいいなと思っています。一生の趣味になるかな(笑)」と結ばれた。
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所在地:大阪府豊能町
主要構造:木造2階建て
設計・施工:(株)建築士事務所民家
竣工:平成26年3月
工期:約5ケ月
敷地面積:656.15㎡
建坪:28.943坪
延べ床面積:118.09㎡
建物本体工事費用:約2,860万円(税別)
本体工事以外に要した費用:約340万円(税別)