WORKS事例紹介

吹き抜けでつながる2世帯住宅

計画中

いつも明るく仲良しなKさんご家族

おじいちゃんおばあちゃんからそのお孫さんまで3世代で住まう家を検討されていました。

辺りには、新旧の家々が立ち並び幹線道路からも一本入った静かな住宅地。

南北に広い敷地は、日照も確保しやすくお庭も作れそう。

敷地をぐるりと取り囲むように水路が通り、元田んぼの印象。

地盤をしっかりと確認して建てれば、きっと住みやすい家が出来るはず。

まずは敷地の特性や近隣の建物の情報を共有しながら、建物の配置と計画をご相談。

ざっくりとした建物の大きさのバランスを説明させて頂き

駐車場スペースやお庭の配置のご要望も事前に伺います。

頂いた条件をまとめるとこんな感じ

・明るく風の通る家

・一階にご両親の生活スペースをまとめる

・予算に合わせたローコストな住まい

早速設計を進め、ご予算に合わせながら検討を重ね完成しました1stプラン。

4LDK二世帯の暮らしを35坪にまとめました。

勾配の違う屋根を重ねて可愛らしい印象に。

準防火地域で考慮が必要なサッシや木の意匠を、上手に防火ラインを外して配置することで無駄なコストを抑えています。

予算にもしっかり納まり、プランも気に入って頂けました。

さっそく、具体的な設計を詰めて行きましょう。

まずはやっぱり気になる水廻り。どうしても他のパターンも考えたくなります。

帰宅してからの動線を考慮して、4プランをご提案。

トイレまでの動線、帰宅動線、お客さんの動線。

それぞれ別パターンを確認頂いて、やっぱり最初のプランに戻りました。

これは良くあることで、「やっぱりこれが一番イイね」を確認頂くために他のプランを書くこともよくあります。

打合せも進み、外構のウッドデッキや星が眺められる星見台のご提案も。

夢があって素敵です。もちろん予算の打合せも綿密に。

今お金をかけておくべき所と、将来出来ることを一つ一つ検討して行きます。星見台はまたいつか作ろうね。

打合せ中に模型を開けるとびっくり。手作りの小さな家具が入っていました。

お孫さんの手作り家具、夢が膨らみますね~!

さて、設計も終盤、、、と思いきや2階のプランを変更することに。

予算を考慮して屋根の形もシンプルにしておきましょう。

完成しました2ndプラン。

吹き抜けのある間取りはそのままに、2階にお部屋を追加しました。

お家の顔である正面の意匠を整えて、木枠でアクセントを。

シンプルにまとまったデザインになりました。

図面の準備もバッチリ。

早速施工に進みましょう~。

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建設中

ついに着工!

と思いきや、Kさんご家族と一緒に高知の山奥へ。

そうです、実は今回の家で使う木を伐採しに来たのでした。

山深い林道を四駆で駆け上り、奥へ奥へと進んで行きます。

ご自身で気に入った木を選んだら、伐採のレクチャーを受けます。

それぞれ記念写真を撮りながら、少しづつ斧を入れて行きます。

林道脇とは言え急斜面の場所、立っているだけでも一苦労です。やっぱり林業家の人は凄いなぁ。

最後は重機を使って切り倒します。

杉の大木が倒れる様は圧巻!

ズンと胸に響く低い音と清々しい緑の香りが辺りを包みます。

伐採が完了すると、枝打ちをして3mに切りそろえます。

木を切って、枝打ちして、長さをそろえて、積み上げる。4つの動作を1台でこなす便利な重機。

林業スタッフにここで育った木の話、山の話を伺いながら自身の家に使われる木を眺めます。

家への愛着も増すこと間違いなし。

特にお子さんのいる家庭では伐採式はオススメです。

一度体験してもらえれば、きっと大切に家を引き継いでくれる事でしょう。

さ、次は棟上げへ続きます。

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完成

完成しました、吹き抜けで繋がる2世帯の家。

まずは吹き抜けのある明るいリビングから。

床は杉板(節あり)の無垢フローリング。

ワックスはオレンジオイルがベースになっているアウロワックスを使用しています。

壁は全面紙クロスを使っています。光の廻り方が柔らかいですね。

まず気になるのはリビングに置かれたペレットストーブ。

シンプルでモダンなデザインのTOYOTOMI製のPE-6です。

とてもコンパクトで国産のメーカーである事が安心ですね。

ちなみにペレット1袋(20kg)入りで600円。

最大火力で約1時間1kg消費するので、燃料代は30円/1時間となります。

薪ストーブに比べても圧倒的に煙も少なく経済的。

今まで民家の家では薪ストーブが人気でしたが、

自宅を作る時は必ず導入しようと思うほどペレットストーブに魅了されてしまいました。

キッチンからリビングを見返すと、右手の玄関に通じる玄関収納と両親の暮らす和室にまで目が届きます。

吹き抜けに対して、少し天井を下げたダイニングエリア。

ルイスポールセンの照明が素敵ですね。

キッチンの後ろにはナラ材にタイルでアクセントを施した造作バックカウンター。

左手は階段下を有効活用したニッチ収納が作られています。

真鍮取手と深みのあるナラ材、焼きムラのあるタイルがとても良い表情。

使えば使うほど生活に馴染み育って行くでしょう。

キッチン横の格子には、無骨な柱。実は高知から伐採式を行い運ばれてきた材です。

K様邸にはご自身で伐採した木を元に製材された柱が3本使われています。

1本目はリビングを見渡せる場所に配置しました。

二本目は和室の床柱に。

仏間の下、貝の口には、大工さんがこっそり作った組木細工が施されています。

普段から無口な大工さんですが、仕事では饒舌に腕前を語ります。カッコいい!

畳はもちろん国産省農薬畳。

こだわって選んだ鮫小紋の畳ヘリと柔らかい色合いが良く合います。

同じく和室には、以前住んでいた家に設置されていた欄間を移築してします。

建具を閉めても程よい距離感が保たれます。

伐採記念樹3本目は玄関の化粧柱に使われています。

玄関左手には、玄関収納を介して洗面室へ直行できる動線を確保。

正面はリビング、右手は和室と、来客・家族それぞれの動線を分けて計画しています。

洗面室の床にはコルクタイルを使用しています。

冬場でも足元温かくやわらか。もちろん水に強く耐久性もあります。

玄関から土間収納を抜けて直接洗面室へ。左手ドアはキッチンと階段に通じています。家事動線もばっちりですね。

階段は民家秘伝の緩やか勾配です。

2階の利用を想定していなかったご両親も、スイスイと上がって2階のお孫さんと遊んでいるそう。

2階には小さな洗面コーナーが設けられています。

手洗いだけでなく、ちょっとした炊事もできて非常に便利。

白いタイルと置き型の洗面が爽やかです。

2階にはリビングを見下ろす吹き抜けと、ヒノキの格子で作られたキャットウォークが。

ペレットストーブの暖気が吹き抜けを介して家全体を温めてくれます。

断熱等級4と南面の光を上手く取り入れるパッシブな設計が活き

真冬の見学会でも、ストーブ1台で家中均一に温かく改めてその効果に驚きました。

伐採式の際に持ち帰った切株を元に時計を作りプレゼントしました。

様々な場所に思い出を残しながら作られた唯一無二なお家になったように思います。

現在外構工事が進行中。外の完成も楽しみです。

 

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施主の本音

K邸

所在地:大阪府松原市

主要構造:構造在来工法 二階建て

設計・施工:(株)建築士事務所 民家

竣工:令和3年

工期:4ヵ月

敷地面積:

建坪:

延べ床面積:

建物本体工事費用:

本体工事以外に要した費用: