施主の本音
かつてリフォームを依頼され、このコーナーにご登場いただいたKさんご夫妻。その後、戸建て住宅を新築されたということで、再びご登場願った。
「6年前ですよね、マンションの床の張替えとお風呂の交換をお願いしたのは。快適に暮らしていましたが、子どもが増えて手狭になったのと夫の職場が変わったため、引越しを決意。夫と私の職場の中間地点である高槻で手ごろな土地が見つかり、また民家さんにお願いすることにしたんです」と奥さま。
新しい家に対する要望は、通風と採光のよさはもちろん、四季の移ろいが感じられること。家族の気配を感じつつも、一人になれる空間を確保することだった。

「思春期の子どもと幼児がいるので、適度な距離が必要だけど、まだ目が離せませんからね。転勤のたびにいろいろなタイプの家に住み、学んだことや住み方のクセ、自分たちの希望をざっくり伝え、設計に反映してもらいました。ほとんどプロのみなさんにお任せしたので、よい提案をたくさんいただけたように思います」とご主人。そのひとつが和室風に設えたリビングだ。
「マンションに住んでいた頃もソファやイスより、畳のコタツに家族が集まるので、そのスタイルをリビングに取り入れようと思いました。リビングの床を上げた分、キッチンと目線の高さが合うので一体感もあります。特に窓を大きく開口したので、外の景色がよく見えるんです。自然を感じられる心地いい空間です」

玄関の正面に納戸(クローゼット)を設置し、洗面所をかなり広くとったことが家事負担の軽減につながり、よかったとも。
「外から帰ってくると、上着やバッグなどをついリビングやその辺に置いてしまいがちですが、これなら納戸に自然と足が向かうので、モノが散らからず片付けがすごく楽。洗面所は洗濯物をたたんだり、収納できるスペースがあるのでお洗濯の労力が半減しました。間取りを工夫するだけで疲れ方がこんなに違うなんて…。一生懸命作ってくださった民家さんに感謝します」

1日1回は「この家いいね」と誰かがつぶやくほど家族全員がお気に入りの住まいで、周囲にも評判だそう。
「僕の兄は物欲がないというか、モノを所有することにこだわらないタイプですが、この家を見て『自分の家を持つというのはこういうことか』と納得していました。家に対する不満は全くなし。100店満点を超えています。この家に関わってくださった多くの皆さんに感謝し、大切に暮らしていきます」