施主の本音
ペットの猫は床のどこでも心地よさそう

猫のたま駅長で有名になった和歌山電鉄貴志川線沿線近くのYさん宅。
外観は和風、中に入ると無垢のスギ板と漆喰壁のコントラストが見事にマッチした開放的な空間!(このギャップの大きさにはいつものことながら驚く)。Yさんはコープ自然派のカタログに挟まれた「木族」を知り、1年半前からセミナーや見学会に参加された。
「昭和46年築の家に住んでいたんですが、全体に老朽化していました。8年前から家づくりの情報を集めていたんですが、新建材の住宅が主流でしょ。民家さんのセミナーに参加したら、自分の思い描く木の家がイメージできたんです。」と奥様。

新築にも憧れていたが、リノベーションのほうが予算を抑えられることがわかり大幅な改築に。昨年5月着工、9月初旬完成。「工事中は敷地内の離れで仮住まい、毎日現場を見ていました。大工さんの丁寧な仕事ぶりには感動しましたね」(奥さま)。
ご主人も「ハウスメーカーは出来合いの家をポンと積み上げ短期間での家づくり。一方わが家は、必要な柱を残しながらの工事で解体も手作業。様々な工程でも棟梁をはじめ大工さんが懸命に作業をされていました。今でも朝起きて2階からリビングに向かい、階段を踏みしめる音を聞くたびに彼らの仕事を思い出し、自分も今日一日頑張ろうと勇気づけられます」

リノベーションの内容は大きな吹き抜けのあるリビングを中心に、居室が4部屋。家事導線のすぐれた間取りとランニングコストを抑えた住まいに。「吹き抜けは冬寒いかと心配でしたが、断熱材とペアガラスの効果か、真冬もスリッパは不要。スギの床は暖かいですね。雨の日も家の中はカラリとしていて、調湿効果も実感しました。一番びっくりしたのは飼い猫が床のどこでも心地よく寝ていること。以前はそんなことなかったので」(奥さま)
最後にご主人が「上質な家具は丁寧に手入れして、長く使いますよね。僕たちはそんな家具の中に住んでいるような気がします。経費面に気を取られてしまいがちですが、民家さんには妥協しない家づくりを提案していただき、本当によかったです」