施主の本音

阪急宝塚線、池田駅に近い静かな住宅街に今秋F邸が完成しました。
「4年前から民家さんのことは知っていました。環境について関心があったので、山の保全に役立つなら、いずれ家を建てるときは、お願いしようと思っていましたが、予算があまりなく…。
できないかもと半々の気持ちで思い切って相談したところ、予算にあったやり方を提案いただいたんです。」と奥さま。
住まいについて現実的に考えるきっかけになったのは増税法案が持ち上がったとき。「増税前に建てたいなと思い、今年(2012年)の1月に不動産屋さんを訪ねました。阪急宝塚線で探そうと、参考のために物件をいくつか見せてもらったんです。リノベーションという選択もあったので、中古住宅を2軒見学し、その次に出合ったのがこの土地(古屋付き)でした。1~2年かけてゆっくり物件を探すつもりが、予想以上に展開が早くなり、びっくりしています(笑)」とご主人。

「限られた予算内で、無理なく国産材の住宅を建てようと思いました。そんな私たちの
思いに合致したのが、民家さんが推奨される”れいほくスケルトン”なんですね。
何度かセミナーに参加していたので、たぶん、そうなるだろうと思っていました(笑)」
(奥さま)
「1階はリビングダイニングと水周り、2階は部屋が2つ。
うち1つは将来子ども部屋を間仕切りできるようにしたい…
間取りの要望はそれぐらいですね。
妻は縁側がほしいと言っていたんですが、カット。
下駄箱の扉や寝室の棚の扉、洗面所の造りつけの棚もやめ、削れるところは削りました。
省いた部分は将来、付け足すことができるので、先の楽しみとして置いておけますね」(ご主人)

床はすべてスギのむく板を張り、壁はエコクロス。
採光と通風を活かした明るい住まいが誕生しました。
「建坪24坪ですが、住んでみると無駄がなく、シンプルそのもの。生活に必要なものだけで暮らせるサイズなので、ぜんぜん狭く感じません。3歳のおてんば娘は寝転がったり、走り回ったり、よじ登ったり。ホンモノの国産の木を使い、がっちりと地盤改良、しっかりとした骨組みの家を建ててもらい、子どもに安全安心な環境を提供できたのは親として誇らしいですね。打合せに始まり、地鎮祭、上棟式、工事現場…と子どもと一緒に出向き、頭の片隅に家づくりとはこういうものだという記憶が断片的にでも残ればいいなと思います。そして、いつ見に来てもらっても素敵な家でありたい。そういう思いを大事にすることが、建ててくださった方への恩返しでしょうか」と奥さまから嬉しい言葉を頂戴しました。