施主の本音
学研都市線の最寄り駅に降りると生駒山系をバックにニュータウンが形成されている。その一角にある高層マンションにお住まいのFさんが今回のお施主さんだ。

「昨年、コープ自然派に入会したのがご縁で『木族』を知り、見入ってしまいました。というのも我が家は築40年のマンションで、一般的なリフォームだけでなく、なるべく化学製品を使わない自然素材によるリフォームも経験していました。そんなこともあって、民家さんの家づくりのコンセプトにはおおいに共感しましたね。ちょうどリフォームを計画していたのでご相談に伺ったところ、うちの近所で見学会があるというのでそこにも参加し、お願いすることに決めました。リフォームについては要点をお伝えし、あとはお任せでした。」とFさんは語る。
リフォーム内容は居室の内装のやりかえ。

「昨年9月中旬に工事が始まり、1週間で完成しました。パンチカーペットの床をむくのスギ板に張り替え、壁は【微風(そよかぜ)】を塗布。それだけで部屋の雰囲気ががらりと変わり、居心地のいい空間に生まれ変わりました。今回の工事結果でいちばん驚いたのは、この冬結露がまったくなかったこと。北側に面した部屋なので二重サッシにしているんですが、毎年結露に悩まされていました。

この二重サッシの間に杉板を張ることで結露がゼロになったんです。当初、壁との連続性を考え、サッシの間にそよ風を塗ってもらうつもりでしたが、木の方がいいですよというアドバイスで、そうさせてもらいました。正解でしたね。
戸建て住宅だけでなく、マンションの湿気対策にも木が有効だとよくわかりました。むくのスギ板を張った床は暖かく、快適さは予想以上。スギは日本の気候にあったいい素材だと思います。ヒノキよりやわらかいので傷がつきやすいようですが、どんなに硬い材木でもいつかは傷がつきますよね。夏は足元がさらさらして気持ちのいいことでしょう。楽しみです。」
終の棲家として次のリフォームプランも考え中のFさん。
「また近くで民家さんの見学会があればぜひ行きたいですね。多くの施工例を見て勉強し、次のプランに生かせられたらと思っています。よい住まいになってもモノがあふれていては、台無しなので、モノを減らす努力も続けるつもりです」