施主の本音
申し分ない住み心地に

「まあ、なんということでしょう♪」とオトナも言いたくなるようなリノベーション(大規模改装)で生まれ変わったのが、今回ご登場のY邸です。
「そのセリフ、小学生の息子が連発していたんですよ。よっぽどうれしかったんでしょうね(笑)」とYさんは振り返る。
それもそのはず、元のお住まいは築70年の3軒長屋の真ん中にあり、両端が切り離されたものの、隣家に寄りかかるように建っていたという。

「夫の祖母が住んでいたところで、長く空き屋だったんです。結婚を機に、そこを簡単にリフォームして暮らしていましたが、1階は昼間でも灯りが必要なほどで、ベランダは朽ちて機能を果たせず、洗濯物を干すのが不便でした。古いのは我慢できたんですが、お風呂場でネズミを見かけたときは限界というか…。雨漏りもしていたので建て替えを検討することにしたんです。」
Yさんの実家は民家が建てた3階建ての2世帯住宅。
「実家に寄るたびに『いい家だなあ』と思っていました。だからお願いするなら民家さんがいいなと。でも新築だと予算的に難しいかもしれない。民家さんに家を調べてもらうと、リノベーションでも対応できることがわかったので、お願いすることにしたんです。」

今年1月に工事を開始。骨組みだけのスケルトン状態にし、間取りは全面的に変更。キッチン・リビングを明るい2階に移し、1階はご夫婦の寝室と仕切り可能な子ども部屋に。床にはすべてむくのスギ板を張り、勾配のきつかった階段をゆるやかにし、広いベランダも実現。
「2階のリビングを広くするため、天井板をはがしてもらうと、しっかりした太い梁があらわれました。その梁には昭和16年という文字が刻まれており、それまでは築50年ぐらいと思っていたので、想像以上の古さにびっくり。小屋組の梁はリビングのアクセントになりました。昔の面影を残すことにもなり、よかったです。工事中、設計士の細江さんからロフトを造れますよと声をかけていただき、急きょお願いすることにしました。収納スペースに不安があったので助かりましたね。」

消費税増税前の駆け込み需要のせいか、材料が手に入らず、工事に遅れが生じたが、なんとか3月末に完成。息子さんの小学校入学に間に合わせることができた。
「住み心地は申し分ないですね。他の住まいに憧れたり、羨ましいと思うこともなくなりました。夫はもちろん、私の母も喜んでいます。工事の経過を知らないママ友たちが、ビフォー・アフターや~と一番驚いています(笑)。新しくなった住まいで家族仲良く暮らしていきたいですね。」と結ばれた。