越後妻有でアートに溺れる。
2024.09.23カテゴリー: 中津の建築探訪記
ずっと行きたかった、新潟県は越後妻有で3年に1度行われている「大地の芸術祭」
多忙のあまり半年以上美術館にも行けず、アートの急速充電が必要と判断し、
思い切って新幹線を乗り継ぎ、大阪から片道6時間かけて行ってきました。
メイン会場となる越後妻有里山現代美術館、設計は梅田スカイビルでお馴染みの原広司さん。
ロの字型に大きく敷地をくり抜き、空と水盤がお出迎え。美術館なのに公園のような居心地。
こんな素敵な場所ならもっと早く来ておけばよかったと早速後悔。
個人的に最も体験してみたかった、dot architects × contact gonzo によるパターゴルフ。
学生時代先生としてお世話になったdot archtectsさんと、7年前?東京のワタリウム美術館での展覧会で衝撃を受けて
それ以来ずっと関心をよせているcontact gonzoさんの共同作品。これは見るっきゃない。
参加者が用意された段ボールなどで、自由にパターを製作しコースを廻ります。
狂気と混沌、大人が本気でふざけて場当たり的に作っているように見えて、ディティールが妙に効いてる。
カッコイイ。。。
ちなみに今年ネットでcontact gonzo さんの作品(木の枝にウェットティッシュを巻き付けたもの)を購入し、
リビングに飾っていますが、来る人来る人凝視しつつ一度も作品の話題に触れずに帰ります。
会場には参加型の作品が数多く展示されていて見ごたえも十分です。
梱包用のビニールで宙空に作られた蜘蛛の巣のような空間。居心地の良さに長居して注意される。
2日目のメインはクリスチャン ボルタンスキー作 「最後の教室」
廃校になった小学校がそのまま作品になっています。
美術館で見るボルタンスキーの作品よりより強烈に臨死体験レベルの死のイメージが空間で繰り返されます。
ちょっとしたお化け屋敷、子供が泣いてた。
どうしても見たかった、手塚建築研究所による、森の学校「キョロロ」
コールテン鋼と極厚アクリル窓で作られてるのに、どこか表情が人懐っこい。
鉄が夏と冬で伸びたり縮んだりして、建物の大きさが変わる恐ろしく難易度の高い建築。
合わせて越後妻有、十日町にある木造の十日町産業文化発信館も大変素敵な建物でした。
その後は大地の芸術祭の有名どころを点々と、、
MADアーキテクツ 「Tunnel of ligiht」
素材選定と水盤の使い方がやっぱり建築家って感じ。
エステル・ストッカー 「憧れの眺望」
真ん中のオブジェの素材を知って深く納得。
川口瀧夫 「農具の時間」
逆に農具に人が従うがテーマ。道具に従うってそういえば現代人の携帯電話なんてのもそうだな~とか。
中崎透 「32 Resting Stones/三⼆と休⽯」
いつか設計した家にミラーボール据え付けることを誓いました。
さて、滞在中お世話になった旅館、せとぐちさん。
趣のある建物に、ほのかに硫黄の香る温泉とジビエ料理がこれまた最高。
ご夫婦で切り盛りされているらしく、しょっちゅう行方不明になるおかみさんと、看板ネコ。
急かさないのんびりとした空気が素敵な旅館でした。
大地の芸術祭は2024年11月10日マデ。
関西からはちょっと遠いですが、アートでお腹一杯になりたい方は是非。まだ間に合います。